読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

_

本と酒と怠惰

二八

f:id:the_drunken:20150701024031j:plain

A、というお薬と、併せて処方できません。以前のクリニックで唐突に告げられた、死刑宣告。などというのは決して大仰ではありません。この、マイスリーというお薬はたいへんよく効き、また、シートのデザインも優れておるのです。青い三ツ星が、"入眠剤"という文字を挟んで並んでいる。三ツ星、というのは、なんだか特別な意味合いを持っているようで、また、星、というのは気分を晴れやかにしてくれるような気がするのです。それがわたくしはいたく気に入っていた。

が、先の死刑宣告により処方中止。手元に残ったのはワンシート。もしかしたら、徐々に効き目が薄れているのかもしれないが、そこはプラセボ効果で補うのです。今宵、いよいよ一錠飲みました。ふわり、ふわりと、酒によるものとはまた違う、なにか。

それはそれは気持ちがよく、以前は5mgを2錠ほど飲まねばこの状態へと達せられなかったのだが、今宵は久々の服用のためだろうか。もうすでに自動筆記と化しつつある。

己がツイートを先ほどまで見返していた。いよいよ処方薬が8種になった、と、絶望しているわたくしがいた。が、それから3ヶ月。10種に増えている。様々な安定剤を組み合わせても、組み合わせても、組み合わせても、精神的なアップダウン、波、は落ち着く気配を見せない。

ベースとなっている、エビリファイ錠。睡眠導入剤サイレース錠。抗不安薬デパス錠とセパゾン錠とセルシン錠の3種。緊張からくる、諸症状を抑えるロキソニン錠、ビオフェルミン錠剤、ガスター錠、ムコスタ錠。耳鼻科へ行く暇と経済的余裕の無さから出してもらっているザイザル錠。羅列しただけで、自己嫌悪に陥る。

ベース薬でおかわりだろうが、わたくしは統合失調症だ。投薬と、カウンセリングとで改善はされたが、未だ幻聴や幻覚がある。それらは陽性症状と呼ばれており、しかし、わたくしには陰性症状という、鬱に近い症状もある。幻聴幻覚への対処はカウンセラーさんとのやりとりで、随分とうまくできるようになった。ある思考にとどまらない。一旦おいておく。あー聞こえているな、あーまたやってきたか。と、流すのだ。しかし鬱状態はなかなか厄介だ。お相手さんのおかげで、どん底まで落ちることはなくなったのだけれど、それでも一旦、落ちてしまうと再浮上には時間がかかる。新入りの、セパゾンがうまく効いてくれるといい。願うばかりだ。

虐待の記憶から、いかにして脱するか。最近の課題はこれだ。

仕事中だろうがなんだろうが、わたくしはダメだ、なにもできない。と感じるやいなや、母親に最も厳しく当たられていたときの記憶が、映画のワンシーンのごとく再生される。今は、それらは一旦置いておいて、目前のことに集中するのが課題。時間は未来へ、未来へ、と進んでいるのだから、過去に引っ張られていてはダメなのだ。と、頭ではわかっていても感情が追いつかない。あの頃、に戻る。誰も味方のいない、自分だけが味方なのだと自覚できる前の、数々の仕打ち。心身ともにの虐待だったように思う。母親は未だに、父親は相も変わらず放任主義。

これを書いたからといって、同情はされたくない。否。心のどこかでは、よくがんばったね。っと、抱きしめてもらいたい。その、抱きしめてくれる人が母親だったなら。とこれはよく考えることなのだけれど、ありえないとわかっている。決めつけではない。25年間、母親を見てきての結論だ。彼女は、これから先もずっと、わたくしに謝罪などしないだろう。それでもわたくしは彼女を許す。彼女は彼女なりに苦しんだのだろう。その矛先が、たまたまわたくしだった。歪んだ愛、なんて綺麗事にはしたくはないけれど、そうだったのだろうと許すことがわたくしにできる精一杯。

おそらく、これからも彼女からは様々な痛み、悲しみ、恐怖、苦しみを味合わされるのだろうけれど、すべて許していきたい。憎しみからは、なにも産まれないのだから。