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本と酒と怠惰

四五

お相手さんが、16年間お世話し続けてきたお犬様が亡くなった。3月10日午後21時53分頃。
今日は特にしんどそうで、それでもお父さんの帰りを待ち、短い時間しか過ごしていない私を待ち、皆が寝静まろうかという頃。阿保なのに賢くて、だからきっと苦しみも多かっただろう。けれど、たくさんの愛情を注がれて、私もこの2年すこし、めいっぱいかわいがった。一緒に行ったお散歩の回数は数知れず。お相手さんと私のお喋りを聞いているのかいないのか、元気に歩いていた時もあった。私と2人、全力疾走したこともあった。稲刈りの終わった、自然のドッグランで走り回っていた頃もあった。2階の、お相手さんの部屋の扉をカリカリし、一緒にお昼寝しようと誘ってきたこともあった。思い出すことは多い。短くも、濃ゆい時間をくれた、かけがえのない家族。
夕方頃から頭痛がひどい。
予防的に飲んだ片頭痛薬も、帰ってから飲んだものも、いまさっき飲んだやつも効いてはくれない。わるいなあ、と思いつつ、薬剤師さんの緊急連絡先に電話。ロキソニンを飲んで様子見てくださいとのことだが、おさまる気配はない。また、開局したら電話せねば。
急性扁桃炎とA型インフルエンザのダブルパンチで諸々の予定を断ってしまった。親不知抜き×2というミッションをこなしたら会おうね。
"あの日"から5年。
テレビを見ながら怯えていた。
それからまた調子がわるくなり、いよいよだ、と思って京都駅前のクリニックへ行ったことを覚えている。この震災で患者さん増えたんですよ、という先生は待たすだけ待たせ診察はろくにせず、大量のお薬を出した。手抜きに思えた。それから病院を転々とし、いまのところに落ち着いた。病を怨み妬み、死のうと覚悟したこともあったがお相手さんとお相手さんの家族という、人生の宝物を手に入れた。正負の法則?がんばったご褒美と思っておこう。
母親とは、物理的な距離をとることにより、精神的にもほどよい距離が出来、関係はおだやかになりつつある。それでもやはり実家は疲れるけれど。ゆっくり、着実に進んでいきたい。